医療事故「画像診断報告書見落とし」に対して患者ができる防止策

ニュースで「医療機関でがんの見落としが発覚、患者死亡」という医療事故を時々目にします。そんなことがあってもらっては困るわけで、なんでそんなことが起こって、どんな対応がされているのかを調べてみました。最後に患者としてできる防止策として、私の取り組みをご紹介します。

まず、医療安全情報の原因調査の結果

CT検査やMR検査をすると主治医とは別の「画像診断専門医」という撮影した画像を確認する専門の先生が画像をチェックします。専門医のチェック結果が報告書として主治医に伝達されて、外来で私たちに結果が伝えられます。

専門医のチェックが入るので、撮影した日に結果を教えてもらえないことがあるってのはあまり知られていないかもしれません。(専門医のチェックが入ったかどうかは外来で追加請求の有無で分かります)
私の肺のチェックは110円ぐらいでした。

画像チェックの専門医は画像チェックの専門家なので、撮影した画像を隅から隅まで確認してくれます。例えば、肺を確認するためにCT撮影をしたときについでに映り込んでいた肝臓やすい臓の状況もチェックして気になることがあると報告書で主治医に伝えてくれます。
この場合、主治医は肺の専門家の可能性が高いため、報告書で関心のある肺の情報のみをチェックして、それ以外の肝臓やすい臓の情報が未確認の状態になってしまい、それが『見落とし』の医療事故の原因になるようです。
もちろんそれだけではないですが。

その結果と対応

専門家の間で原因追及と再発防止策が議論されて『100%の責任が医療者にあるから医療者側で何とかしなくては!』となり、主治医が操作する電子カルテの画面に画像診断報告書を見たかどうかをチェックする機能がルール化されました。先生達が内心イライラしながらPCの画面をチェックしている...そんな光景が思い浮かびます。

でも、主治医が専門以外は別の診療科に紹介し忘れると画像診断報告書をチェックしたとしても、見落としするリスクは残ったままになるわけで残念な結果は無くなりません。

私がやっていること

そもそも、医療の現場には医療者と我々患者がいるので医療者だけで解決できないこともたくさんあります。とは言っても、専門用語が分からない私たちにできることは限られるので、私がやっていることをご紹介します。
私は撮影した画像も、画像診断専門医の報告書も主治医と一緒に自分の目でも確認します。

報告書を見せてください!!!」

なんてかしこまってお願いする必要はありません。モニタに顔を近づけて一緒にのぞき込むと、たいていの先生はページをめくりながら説明してくれます。書いてある専門用語は分からなくても『異常あり/異常なし』ぐらいの内容は読み取れるので、気になる箇所を見つけたら「先生、何か書いてありますね~」と独り言をつぶやくと「あ、ほんとだ」と気づいてもらえるわけです。
嘘みたいですがこうやって気づいてもらったことは何回かあります。

主治医の先生は専門以外には関心がないのかもしれない...とよい意味で疑いの目を向けていれば質問することは悪いことじゃないですよね。

医療者が検査・治療のプロなら私たちは自分の体のプロ
やろうと思えば自分でできることもたくさんあります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です