【サポート日誌】抗がん剤治療開始時期の不安

ご家族が婦人科のがんの手術を受けた方から、術後の後遺症で腸捻転や腹膜炎を併発し、ようやく回復して食事ができるようになったのに、主治医がすぐに抗がん剤治療をスタートしようとするのですが、大丈夫でしょうか?とご連絡をいただきました。

お話を聞くとご家族は後遺症の治療で絶食期間があったこともあり、かなり体力が落ちているそうで、もう少し体力が戻ってからの抗がん剤でダメなのかと思っているとのことでした。主治医からは手術でがんを取り切れていて、再発リスクを下げるための抗がん剤治療と説明があったので、なおさら不安に感じたようです。

今回のケースのような抗がん剤治療は頻繁に行われることですが、「本当に必要?」と思う方は結構います。実際に医学研究で治療の効果が認められているので意味があることは間違いがないですが、すべての患者さんに治療が必要かというと決してそうではないのが現実です。私の立場で治療の要否を判断することはできないので、下記をアドバイスしました。

・そのままの不安を主治医に伝えたら、一緒に考えてくれること
・患者さんの体調など、治療を一時ストップするポイントを主治医と決めること
・治療の選択肢は1つではないので、将来選択する可能性がある治療法を主治医に確認すること

治療にいったん選択をしたら後戻りができないケースも多くありますが、完全にもとに戻れなくても「白」か「黒」の2択ではなく、「グレー」が存在します。今回のケースでいえば、治療家の主治医の選択は体力が落ちていたとしても、術後すぐの抗がん剤治療が再発リスクを最も下げる選択として適切と判断したと予想しますが、患者さんにとって再発リスクを下げるのと同じぐらい生活の質を落とさないことが重要であり、両者の最優先の間、つまりグレーの選択を模索することがよいのではないかと考えました。

主治医は意見をすると嫌な顔をすると思いがちですが、患者が意思を持って「こうしたい」と伝えると喜んで解決策を一緒に考えてくれます。治療法で悩むことがあったら正直に主治医に自分の不安や希望を伝えてみてください。
逆に「先生ならどうしますか?」と選択を主治医に丸投げすると嫌な顔をされるのでご注意を!

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