がんになったら頼りになる人・場所
10年前と比べると我々の周りにもがんになっても日常生活を続けている人が増えて
「がん=死」のイメージが薄れてきました。この印象はTVドラマでがんで亡くなる人が少なくなったことも影響しています。
とは言え、がんは治療をしないといつか確実に死に至る病気です。
がんになる前の予習は不要ですが、がんになった時に頼りたい人・場所を紹介します。
<1位>看護師さん
治療をするドクターが頼りになると思われがちですが、ドクターは仕事が多すぎて1人の患者さんにかけられる時間が限定されているのが現実。手術前の入院中でも主治医と会えるのは診察と朝晩の回診のわずかな時間しかありません。たとえ事前に質問リストを準備しても、専門用語の多い会話の内容をすべて理解して自分が欲しかった回答を得ることはハードルが高いと言わざるを得ません。
(先生は頑張って説明しようとしてくれますが)
そんな時に一番身近で便りになるのが看護師さん。
不安なことや分からないことを相談すると、先生に確認をしてくれたりドクターの言葉を分かりやすい言葉に変換して説明してくれます。
長期間の薬物治療で気持ちが落ち込むことがありますが看護師さんと話しを聞いてもらって、一緒に涙を流してもらったことで心が軽くなったという患者さんが大勢います。看護師さんも忙しいので、頼りすぎるのは禁物ですがドクターとの間に入ってくれる心強い存在です。
たまに励ましたいという気持ちが強すぎて治療のアドバイスをしてくれる方がいますが
看護師さんは患者になったことがない人が多数なので何かを決める際は自分でしっかり決断することが大切です。
<2位>相談支援センター
中規模以上の病院には患者さんの相談に乗ってくれる相談支援センターが存在します。
病院によって呼び方も常駐スタッフの専門性も異なりますが、看護師やソーシャルワーカー、カウンセラーが治療の相談や退院後の生活の相談に無料で乗ってくれます。
私がお世話になった十数年前は、治療を受けている病院の相談支援センターしか利用できない縛りがありましたが、今はどこの病院のセンターでも利用が可能です。
例えば「治療のことが分からない」と相談をすると、主治医に連絡をして説明の機会を設定してくれることもあるので、ドクターに直接話すのはちょっとという方には強い味方です。
「こんなことで相談してよいのかな?」
相談支援センターの扉を開けるのに躊躇しがちですが、
まさに聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。
後で後悔しないためにできることは躊躇せずにすべてやりましょう。
<3位>患者支援団体
患者支援団体は、治療を受けた患者がどのように生活しているかをリアルに見ることができます。手術を受けて、薬剤治療中はどんな症状が出るのか、どんな工夫で後遺症と付き合っているのか、お金のリアルな事情はどうなのか等々、治療面よりも生活する知恵の宝庫です。同じ患者として気持ちを分かってくれるので、包み隠さず色々な事を教えてもらえます。コロナで活動をオンラインにシフトしている団体も多く、お金のことや夫婦生活など他では聞きにくいことを患者会に属さずに聞くことができます。
患者支援団体は乳がん、肺がん、すい臓がんなどの病気の区分の他に若年性や老舗、つながり重視など各団体で特徴があります。老舗団体は信頼度は反面、若年者が少なく、子育て中のママさんが欲しい情報が少ない等々の良しあしがあるので、自分の感性に合った団体さんの選択はおススメです。
専門的な知識は病院、生活面は患者支援団体をうまく使い分けをしましょう。
家族や友人の存在も大きいですが、時に高い壁となって患者を苦しめる存在にもなるので
このあたりは次回、実際のケースを交えてご紹介します。
我々健康サポーターは、患者さんが意思決定のお手伝いをしながらご本人、ご家族が健康に暮らすために必要な「頼りになる人」を一緒に考える取組みをしています。
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